科学って何なのか。科学者とは何者なのか。
世の中の現象や物体について、独自の計算式やメカニズムを生み出して解決していくことが科学であり科学者であると思っていたけれど。
もっと広い意味に使われているようだ。
学びを深めるほどに今更ながら気づかされることばかり。
結局行き着くとことは心であり脳に支配されているように思う。
Scientistという単語が英語のなかに登場したのは1840年頃であり、それまではmen of scienceと表現されていました。Scientはラテン語で「知識」。istは何かを専門的にやる人。Menが使われているところからも、学問を進めたり知識を持つ人は男性とされていたことが伺えます。ガリレオやニュートンは代表的な科学者であるように思いますが、当時はscientistという言葉は存在していなかったのです。
世の中に科学が広く取り込まれるきっかけとなったのは、20世紀前半の2つの世界大戦です。科学による物質の供給と共に、科学者が新兵器の開発に従事しました。科学は、軍事分野において技術的かつ社会的有効性を発揮し、国家と深いつながりを持つこととなります。
科学は、希望や期待だけでなく、使い方によって甚大な負の影響を与えることもあるわけです。
純粋な科学ではなく、国や政策のために必要な科学「規制科学regulatory science」という分野もあります。一般の科学研究の目的がオリジナルで重要な真実であるのに対し、規制科学の目的は政策に関わる真実。動機は専門集団内での評価と昇進であるのに対し、法規制の施行。手続きが専門家によるレビューなのに対し、監査と現地査察、裁判など、それぞれ異なりますが、これも広義の中での科学です。
バイオテクノロジーをめぐる科学、環境をめぐる科学、外交をめぐる科学。
私が極めていきたい気候変動をめぐる科学は、戦後の公害問題から大きく変化してきました。これについてはまた。