おべんと、おべんと嬉しいな。
子供のころから大好きな歌。お弁当ってなんていい響きなのだろう。
「お外で食べるとおいしいね」子供たちもお弁当が大好き。
外で食べるのが大好き。
シンプルな塩おむすびも自然の中でいただくとなんでこんなにおいしいのか。
仕事の合間にデスクで食べる食事とは大違い。
「おいしい」とう感覚は、味覚だけではなく、視覚、嗅覚、聴覚、触覚、
五感すべてから生み出されるからなのだろう。
今年のお花見はレジャーシートを敷いて飲食は禁止、との公園が多くなりましたが、それでも花見前には巨大なごみ捨て場が設置されていました。
シートを敷かなくても花を見に人は集まるし、ベンチでお弁当を食べる人もいます。多くのごみが出ることを予想しての設置だと思います。例年と比べて、そのごみ捨て場がいっぱいになる様子は見られませんでしたが、ごみゼロの花見は実現しないのでしょうか。ごみは持ち帰る、ということを100%の人が徹底すればいい話ですが、たとえそのつもりでも、ごみを出してしまうことがあります。
例えば、外でお弁当を食べていると、不意に風が吹いてお手拭きが飛んでいったり、ごみを入れて持ち帰るためのビニール袋が飛んでいったり。特に、小さな子供を連れていると、そちらに手がかかり、落とし物をすることが度々あります。
本人がそのつもりでなくてもごみを出してしまう一つの例です。海で問題になっているプラスチックごみも同様に、故意に捨てていなくても、飛ばされたり落としたりして結果ごみになってしまうのです。
では、どうすればよいのでしょうか。もう一つの方法としては、誤って落としてしまってもごみにならないものを持ち歩けばよいのだ、ということになります。
そこで出会ったおむすび弁当。
おむすびをくるんでいるのは天然の竹皮と竹ひも。土によみがえる自然のもの。持ち帰れば再利用もできるし、ご飯が乾燥するのを防いだり、竹のいい香りも沁みついて、まさに一石二鳥!
お弁当箱や持ち歩くカトラリーも、プラスチックではなく木や竹、草、土など自然の材料で作られたものであれば、落としてしまったときに自然への負担は小さくなります。
最近は「ゼロ・ウエイスト」という言葉も良く聞くようになりました。単に「ごみゼロ」ではなく、無駄や浪費もなくすという意味があります。廃棄物をどう処理するかではなく、ごみを出さないという設計から変えていくということです。廃棄物は資源の無駄使いや水質汚染など環境に影響を及ぼしてしまいますが、ゼロ・ウエイストは、社会の仕組み自体を変えていくというものです。
私は、「ゼロ・ウエイスト」という言葉を、2年前のバリ旅行で知りました。
バリへ行った大きな目的は、環境への取り組みが深いビラに泊まったりエコスクールを見学したりすることでした。
そこには、ゼロ・ウエイストへ導く仕組みが備わっていました。
ビラ¹⁾の建物は森の木は切らず、全て廃材で建てられています。
建物内の電力は100%太陽光パネルで保たれ、水は雨水の再利用。
食事は在来種の種を自然農法で育てた食材を用い、食べ残しはコンポストとして農園の肥料にしていました。
2008年に創設されたグリーンスクール²⁾では、電力や飲食物は全て自給自足。
ほとんどの建物やいす、机が竹で作られています。竹は成長が早く、多くの二酸化炭素を吸収するためにエコな材木なのです。8割は太陽光発電、2割は水力発電を利用していました。
驚くのがごみの分別で、21種類にも分別され、リサイクルされています。
「Kem Bali(ケンバリ)」とは、インドネシア語で「戻る」という意味です。細かく仕分けるほどリサイクル率は高くなります。
バリ島はフライ料理がほとんどでパームオイルの生産量が1位ですが、一方で廃油の問題も深刻です。スクールでは、使用済みのオイルもろ過してディーゼル燃料にし、スクールバスに使っていました。
トイレさえもごみを出しません。
独自のコンポストトイレでは、おがくずを入れて汚物を微生物の力で分解し、堆肥としてスクール内の畑で再利用されています。
バリに学ぶことがたくさんありました。
これから新緑の季節に入り、外に出るにはいい季節。
目指すは、ゼロ・ウエイストピクニック!