子供はいつも疑問でいっぱい
毎日出会う新しい世界に好奇心で目を輝かせている
可能性に満ちた純粋な心
なぜなの?どうしてなの?
子供の問いにいつも言葉だけで答える必要はないんだ
分からないときは一緒に考えてみたり
不安になったら精一杯抱きしめたり
一緒に泣いたり
体も存分に使って100%で受け止めること
気候変動問題を考える上で、大事なことのひとつ「教育」。次世代、三世代、四世代と切れ目のない気候変動問題と向き合ってくには、どんな教育が必要なのでしょうか。
「なぜ教育が広まれば広まるほど自然環境は悪化するのか?」そんな問いを受けました。
一つの答えとして、「エリートが排出されるほど自然環境は破壊されている」。「EARTH in MIND」(1994)の執筆者David W.Orrによるものです。
産業社会を支えてきた近代教育は地球環境の無限性を前提とし、もっと多く、速く、より効率的に物事が運ぶことに知識が使われてきました。最先端を行くエリートたちが活躍したのは事実です。では、教育をやめれば自然環境は改善するのか?これからの教育を考える上で注目されているのがESD(Education for Sustainable Development)「持続可能な開発のための教育」です¹⁾。
Davidは「問題を起こした教育と同じ教育では変わらない」と述べています。
アインシュタインも残した「問題を生じたものと同じ意識のもとでは問題の解決はあり得ない。私たちが学ばなければならないのは世界の新たな見方である。」との言葉。
新たな見方。
今後、持続可能な未来のための教育とはどんな教育なのでしょうか。根っことなるのは「養育」です。「足元の自然から始めよう」(1994)の執筆者David Sobelによると10歳くらいまでの子供たちを対象にした教育は、心配(恐れ)は必要ないと言います。大人でも、目の前で起きている大きな問題を直視すると精神的なダメージが大きいものです。気候変動による危機や恐れもその一つ。知るべき成長過程を尊重することが大事だと言います。
その代わり、大自然で思い切り遊ばせること。世界は美しい不思議に満ちている。世界は生きるに値する場所であることを根付かせること。親としては心に響く言葉です。
過去1000年で最も偉大な発明は何か?との問いに米国マサチューセッツ工科大学教授のミチェル・レズニックは「幼稚園」と答えました²⁾。幼稚園は1837年にフリードリッヒ・フレーベルによって「発明」され、それ以前の学校教育とは訣別したアプローチが採用されました。先生が教壇に立って一方向に情報を伝達するのではなく、自然界に見いだされる形状やパターンを表した恩物と「対話」し、自信の手で世界を再創造する。正確さや速さを競う世の営みとは別に、子供たちの遊びを通した学びが保障されたのが「幼稚園」でした。
養育の大切さと共に、学校の「幼稚園化」が求められているのかもしれません。
教育の在り方そのものが気候変動問題を解決していく社会の構造に影響を与えることは間違いないのでしょう。
参考
1.持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development):文部科学省 (mext.go.jp)
2.発達「特集自然と子ども」ミネルヴァ書房2019 聖心女子大学教授 永田佳之